それでも春は来たんだぜ

大盛貝塚

2020年03月14日 16:51

去年の秋、台風の豪雨により関東甲信越、東北にかけての河川では増水被害がでた。
僕の住む町も、幸い洪水とまではいかなかったが、僕のホームグラウンドとしている川も、それなりに増水して護岸が崩れる箇所もあった。

その復旧も兼ねてかもしれないけれど、その川でも工事が続いている。河床の浚渫工事らしいが、都市の河川工事で生態系へ影響が出ないものなどない。ここ何週間も水が泥濁りのままだ。

それでも、彼らは戻ってきてくれた。

春の風物詩、マルタウグイ。
海から遡上して、川の瀬でバシャバシャと騒ぎ立てる。年に一度のお祭りだ。
それを数日前から探していたのだけど、泥濁りのせいで魚の姿が見えず、今年はダメかと諦めかけていた時だった。
僕はその祭りの始まりを、魚が叩く水の音で知った。


瀬入りしてしまえば釣るのは簡単だ。口元へルアーを送り込めばいい。
この魚はラパラF5で釣ったけど、別にこれでなくても釣れただろう。

何にせよ、今年も出会えたのが嬉しい。
シーズンの初物はことさら印象深いもの。
人的なものも含めて、度重なる川の変化に負けずよく来てくれた。
人間社会はウイルスだ経済だと騒がしいけれど、彼らの旅の困難さに比べればさしたるものでもない気がしてくる。

今年も少々、相手して下さいな。

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