めちゃくちゃ久しぶりにガチでラージマウスバスを狙ってみたんだぜ

大盛貝塚

2024年08月20日 18:58

僕はバスブーム世代ど真ん中のおっさんなので、バス釣りはとても好きだ。

別にバス釣りが最も面白いとか偉いとかは思っていない。
が、多種多様な戦略で釣ることができるラージマウスバスと、それに応じたテクニックを駆使して魚を追うゲーム性は、釣りの中でも随一のものだと思っている。

シーバスも面白いけど、海の魚は季節や潮に大きく左右されるタイミングのゲームだし。
スモールマウスはラージマウスとはやっぱり違う魚で、引きは強いけど、良くも悪くも単純な性格の魚なので、食わない魚をテクニックで食わすなんて芸当は難しい。ラージに比べればシンプルな釣りになる。

とはいえ、現代においてバスフィッシングは、やること自体が難しくなってきてしまった。

全国で一時期、津々浦々まで驚異的に広まった魚であるが、外来種のアイコンのような扱いを受けて真っ先に駆除されたり、そうでなくても爆発的繁殖の時期を過ぎれば生態系は自然に個体数を減らすので、往時よりもそもそもの数が減っている。

加えて野池をはじめとした小規模フィールドでは、ブームで人が押し寄せた悪影響で釣り禁止のフィールドが圧倒的に増え、そもそも釣り自体がしにくいジャンルと化している。

河川では、遊泳力が高くて流水に強いスモールマウスがラージマウスを駆逐して、スモールのいる川ではほとんどラージは姿を消してしまった。
僕もスモールマウスを狙うが、まあ面白いのもあるけれど、他に身近な選択肢がないというのも大きな理由だ。

ということでこの数年来、真面目にラージを狙う釣りはしてこなかったのだが、去年引っ越しした先が比較的神奈川のバスレイクに近かったという。
ならばどこかのタイミングで行ってやろうと思っていた僕は、めちゃくちゃ久しぶりにガチなバスフィッシングを津久井湖でやってきました。

8月某日。
6時前に津久井湖湖畔に到着。
ネット情報だと津久井湖はダム湖なので、オカッパリできるポイントが少ない模様。ならばボートを借りて行くべきだろうと、選んだのは最上流の沼本ボート。

猛暑日の続く中、湖の水はホカホカに温まっているだろう。ならば本湖のボディウォーターではなく、冷たい水と酸素を供給してくれるインレットに近いほうが、というのが選んだ理由。

しかしボートでのバス釣りはおそらく十数年ぶり。
そんな人間なのでエレキも魚探も持ってない僕は手漕ぎローボードで出撃したのだが…。
周りのアングラーはみんなフットコンエレキに魚探装備、画面が2つ3つあるのはいわゆるライブスコープを搭載している人だろう。知識として知ってはいたが、導入率の高さに驚愕。あれ、一式30万は下らないはず…。

そんな中でライフジャケットすらレンタル品の、裸一貫に近い僕は、さながら無課金おじさん。
オリンピックの無課金おじさんはカッコ良かったが、津久井湖の無課金おじさんは、お金の無さそうな、ただの素人っぽいおじさんである。

ま、事実そんなもんだ。
とにかく出船。

実は、前日の夜は楽しみすぎて、予定よりも2時間ほど早く起きて悶々としてしまっていた。
おじさんになって情けないと思いながらも、いい歳しても小学生のような楽しみがあるのは、とても幸せだなあ、としみじみ思う。

おぼつかない手つきでオールを漕ぎながらよろよろと出発。
いかんせん初めてのフィールドだし、魚探もなければポイントも知らない。
故にシャローで水を探す戦略に徹することに。

山上湖なので当然、周りは山。
初手で見るべきは水面よりも地形と植生。フレッシュな水を探すには、山の中腹から谷間になっていく場所の延長線で、水際に湿気を好む植物…具体的には竹藪がある場所が狙い目。こういうところは湧き水が出る。
水際が岩盤ではなく、落ち葉や小石の堆積物になっていれば良し。インレットが目に見えなくても、こういうスポットでは伏流水がボトムからじわじわ湧き出しているはずだ。

ご存知の通り、冷たい水は重いのでボトムに溜まる(正確には水温4℃で水の比重が最も重くなる)。
なので基本はボトム狙い。

朝イチはワンドの中のインレット周辺で、阿修羅ミノーをジャークさせて探ってみるが、反応なし。
しかし隣のボートがブッシュの中から早々に30cmクラスを引っ張り出していたので、魚は居そうだ。
ただ、手漕ぎではフットコンエレキのようにテンポよく探れない。
風に流され、都度オールを漕いで位置修正。2〜3投でまた修正…と、逆に効率が悪い。
早々に諦め、思い切ってシャローに突っ込む。水深50cm、エレキでは来れまいシェードの場所へ。

水中を覗くと、ギルと小バスがワラワラと。
とりあえず何か食わないか、と3インチのトゥースピックワーム(スミス:20年以上前に廃盤)をワッキーにして放り込む。
しかし見に来るものの口まで使わない。10cm程の新子のクセに…天才か…。

ネチネチ誘って、プルプルとしたバイトを拾ってようやく取ったのがこの子。


いわゆるフライというやつですな。
君らは成魚の餌にされがちだよね…。

らちが明かないので、本湖へ移動。

本湖は結構アオコが発生していて、明るめの抹茶色した粒子みたいなのが浮いている。
あんまり水は良くないと思い、フレッシュな水を探す戦略は続行。
やっぱり伏流水を含めたインレットを探して、それなりに沢水が流れ込んでいるスポットを発見。

ふと見ると、周りにライブスコープを搭載したガチ勢が数艇。
チラチラとワカサギも見えるので、冷たい水にワカサギが寄ってきているのかもしれない。
その船のアングラーはダウンショットのスイミングで一本取った模様。
なるほど、魚はいる。しかし無課金おじさんで魚探のない僕は真似ができません。

そのタイミングで、隣にやって来た手漕ぎボートの親子が、何やら高比重ワームを投げていたら釣れたらしい。
おめでとう。僕は拍手を送りたい。

とにかく一本欲しい僕は早速メソッドをパクる。
手持ちの中でのめぼしい高比重ワームは、やっぱりゲーリーのセンコー。
アオコの中でもアピールできるよう、5インチをチョイス。かろうじて1本だけタックルボックスに入っていた…。

しかし必殺のハズだったトゥースピックワームのワッキーが効かない程、スレてるフィールドだ。ここは余計なことはせず、順当にオフセットフックにセットして、岸際にキャスト、フリーフォール。
着底したらリフトして再度フォール。ダム湖なので、手前に1m引けば3mくらい水深が変わる。これで各レンジを壁沿いに舐めていく。

この釣り、地味である。
が、センコーの力は確かなもの。
程なく、ヌッとした重みを感じ。
スイープにフッキング!



30cmくらい。
普段、シーバスやスモールマウスに慣れていると、あれっと思うくらい引かないが…多分、高すぎる水温の影響もあると思われる。
それでも、まともに狙ってラージを釣ったのは何年ぶりだろう。

ここまで長々と書いたけど、この戦略を楽しむのがバスフィッシング。
ラージマウスよりも引く魚はゴマンといるだろうが、これだけゲーム性を持って楽しめるのがバスフィッシングの醍醐味だ。

以後、同じメソッドで。
ゲーリーのセンコー5インチはロストしてしまい、これまた古いデッドストックの、懐かしのサワムラのバレットで。


その後も水を探してあちこち巡る。
しかし、レンタルのライフジャケットはウレタン?製で死ぬほど暑い…。
エレキより魚探より、まず始めに膨張式のライフジャケットを課金すべきと身にしみた猛暑日の昼。

その後、やや本湖を上流へ遡って、やっぱりインレットに絡めて。

35cmほど。
アオコが濃くなったので、シルエットを際立たせるためにブラックの3インチセンコーで(これはスモールマウス用にストックがあった)。

この辺りで空模様が怪しくなり、雷の音もしてきたので、潔く終了。


無課金でも、それなりに楽しめた釣行となりました。
夏場は今回のように、インレットとシェードに戦略を絞れるので、魚探がなくても比較的魚に触りやすかったのだろうと思う。
秋になって魚が散らばるとちょっとしんどそうね…。
ワカサギパターンはやってみたいと思うものの、 魚探、エレキ、バッテリーのセットを揃えなければと思うと悩むところ。
大人なので、そりゃ買おうと思えば買えるが、家での置き場と使用頻度がね…。

ともあれ、久しぶりのバスフィッシングらしいバスフィッシング。なかなか楽しめました。
再訪したいと思います。

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