2016年03月17日
ショートロッドを探しているんだぜ

ルアーに限らずだけど、ロッドを評価するのは難しい。
どの魚を釣ることにフォーカスを当てるかということはもちろん、いつ、どこで、誰が、何を、どうしたい、といった5W1Hも重要だし、好みや感覚、デザインから軽さから素材まで事細かにあり、メソッドにこだわるのか使いやすさにこだわるのか汎用性を重視するのか、はたまた携帯性かと言い出したらキリがない。この辺はまた別の機会に個別に私見を書けたらと思う。
ただ、ルアーロッドにおいては、一つ基準となるスペックがあると思っている。それは「自分の身長と同じくらいの長さのロッドが使いやすい」という基準だ。
かつてのルアーフィッシングの入門書には大抵この記述があったように思うのだけど、いつの間にか市場はロングロッド化が進み、6フィートロッドさえ今やショートロッドの範疇になってしまった。
まあそれに慣れてしまえばそれが基準になってしまうのだろうけど、90年代に釣りを始めた僕としては、当時メジャーだった5フィート台のロッドの使いやすさを知ってしまっているので、このレングスの、自分の手の延長のように使える感覚は捨てがたい。
僕の身長は大体170センチくらいで、まあ日本人としては低くはないけどさほど高い方でもない。僕くらいの体型なら5フィート6インチの竿が一番使いやすく、遠投性やらを横に置いておけば、最も直感的に使うことが出来る。さすがにこの長さでシーバスは厳しいけど、バスやトラウトなら大体20メートルくらいの範囲でのキャストがほとんどなので、さほど不利は感じない。ショートロッドを使ったことがなく、小規模なフィールドをホームにしている人は、ぜひ一度使ってみて欲しい。女性アングラーなら尚更だ。
キャストの精度やルアーアクションが重視されるベイトリール使いのバサーの方ほどそのメリットを感じられると思う。ベイトフィネス用の6フィート台後半の竿を否定はしないけど、MLパワーくらいのショートロッドはまた少し違う感覚で便利に使えるはずだ。少しダルめのブランクスの竿をチョイスすれば、今のリールの性能なら多少軽いルアーでもストレスはあまり感じないと思う。
ただ残念ながら、現行のロッドのラインナップには殆ど姿を消してしまった。バスロッドなら、知っている範囲だとせいぜいノリーズのジャークロッドくらいだ。エントリークラスのロッドも最短が6フィート3インチくらいだったりするので、なんか寂しい。この長さで2ピース以上の継のロッドは全くと言って良いほど姿を消してしまい、新品で使ってみたい方はスピニングならトラウトロッドから、ベイトならパックロッドから探してもらった方が良いかも知れない。
出来れば1.5万円以内のエントリークラスのラインナップには、5フィート台のモデルを一つくらい入れて欲しいもんだ。
フィネス特化やハイパワーに振り切るようなロッドの専門性や、ロングロッドなのに軽いといったこだわりも結構だけど、原点に帰って、良いロッドとは何かをもう一度見直したら、「人馬一体」コンセプトのようになる気がする。人と道具の在り方は、これがしっくり来ると僕は思っている。