2023年07月30日
L-BASS シュリンプはもう、ただのエビだったぜ
ヨーズリ/デュエルというメーカーは、エビへのこだわりが相当あるらしい。
近年のルアーの高騰へのアンチテーゼなのか、ベーシックかつ比較的安価なシリーズとしてリリースされている、同社のL-BASSシリーズ。
そもそも、ヨーズリブランドのルアーは基本性能を押さえた普及品ルアーとして、世界戦略で販売されている。
とがった部分は少ないが、安くて使えてどこでも買える、という基本に忠実なモノづくりをしているメーカーだ。マーケットが世界なのでボリュームメリットもあるのだろう。
このL-BASSシリーズも、ミノーやクランクベイトといった、基本に忠実なラインナップ。
性能もベースとして高いようで、悪い噂は聞こえてこない。
そんな中、僕的には妙にとがったラインナップと思うのがこちらのシュリンプ。
はじめて見たときに、あまりのエビっぷりにびっくりした。若干引いたと言ってもいい。
もう、見るからにエビ。
エビ以外の何者でもない。
胸のラバーなんて、あまりにエビすぎる。
そういえばヨーズリはエギの世界では有名だったな。エビにはこだわりがあるのかも知れない。
ちなみに今は廃盤っぽいが、かつての3Dシリーズには3Dシュリンプというルアーがあったらしい。
ネットで見る限り、細部は異なれど、シェイプはリップも含めてそのまんまである。
金型が同じだったりするのだろうか?
だとすると実は10年選手のロングセラーなルアーだ。
しかしネットで検索しても、一般ユーザーのインプレはほとんど出てこない。
そうなると余計に気になる。
気がつけば、人柱を志願していた僕がいました。
(安いしね)

手に入れて早速、川スモールに投入してみた。
僕の買ったのは7cm、7gのサイズ。
これであればベイトフィネスのリールならストレスなくキャストできる。飛距離も特に不満はない。
着水してすぐ気づくエビっぽさ。
スローシンキングだが、そのスローさが本当にエビっぽい。
水槽でスジエビを飼ったことがある方なら想像がつくと思う。エビが脚をちょっと広げてフワーっと降りていく、あのスピードだ。
ルアーとしては、ちょっとまだるっこしくはあるが...。
そのまま着底すると、胸のラバーがたゆむくらいで立つ。
フロントフックがこのラバーの中にあるのだが、フックまで着くか着かないか、というくらい。
エビが底で立ったときの雰囲気が出てる。

そのままリトリーブすると、スーッと寄ってくる。
リップはついてはいるけれど、あまりアクションには寄与してないような。
速巻きすれば、申し訳程度のウォブンロールはするけれど、それを狙うというよりも引っ張り抵抗を確保して動かしやすくするためのものではないかと思う。
ボトムを、ラインのたわみを調整する程度の強さでフワッと引いてやる。
すると、エビが前進するときのようにフワフワーとスレスレを寄ってくる。
うん、エビにしか見えない。
ツン、と引っ張るとピン、と跳ね上がる。
さすがに尻尾で跳ねる様子は再現できないが、前進ではあるものの非常にそれっぽい。
ちなみに全色クリア系のカラーラインナップだが、それも余計にリアルなスジエビっぽく見える。
徹頭徹尾、エビだ。
うーん、好きだな。この振り切ったエビ感。
しかし、ルアーとしては正直、使いどころが難しい。
このルアー、見た目同様、エサっぽいのだ。
エサ釣りをしたことがない人は、エサは反則、釣れ過ぎるなんてことを考える人もいるようだけど、そんなに甘いものではない。
確かに目の前に魚がいればルアーよりも喰わせやすいとは思うが、エサ釣りは魚の目の前にエサを送り込まなければならないのだ。
匂いや動きで多少アピールはするかも知れないけど、普通のルアーのように広範囲で魚に気付かせる能力は比べるに及ばない。
だから海の釣りでは、遠くから魚を寄せなければならないので、よく撒き餌を打つのだ。
一方、いわゆるスピナーベイトやクランク、バイブレーションといった巻物は、短時間で広範囲にアピールできる。
比較的狭い範囲でリアクションで喰わせるジャークベイトなんかも、範囲は狭まれどスポットごとで誘えるのを思えば、ピン中のピンしか攻められないエサ釣りはこの点はかなり不利。
エサ釣りに求められるのは、何より魚を探す能力、そして魚の目の前にエサを落とすためのアプローチ能力なのだ。
このL-BASS シュリンプも、必要なのはこの2点。
故に、常にラインに結んであるようなルアーではない。
魚がそこにいる、とわかった上でないと、なかなか投入しがたいルアーである。
まさにエサ。
しかし、じゃあワームじゃダメなのか、と言われれば、実際ワームでもいいんじゃないかとも思う。
特にスナッグレス性を求められる場合は総合的にみてワームの方がいいだろう。
あえてそこでL-BASS シュリンプを使うのはなぜ?
確かにハードルアーであるメリットは存在する。
飛距離、操作性、耐久性、トリプルフックでショートバイトを掛けにいく積極性。
リアルな動きは、確かにワームでは、ここまでは再現できなさそう。
でも、もっと大きいものがあるような気がする。
それは...きっと、愛故に。
ハードルアーへの愛。
リアルさへの愛。
エビへの愛。
笑うことなかれ。ルアーフィッシングに、いや全ての趣味に存在するのは愛なのだ。
使いたいから使う。これが好きだから使う。
エビが好きで、エビを喰う魚が好きで、ルアーが好きだから使う。
これは多分、そんなルアー。
※エビのイミテーションだけなら、サターンワームのクリア系カラーをダウンショットでシェイクしてください。
これもまた、エビです。
なお、僕はこのルアー、大好きです。
近年のルアーの高騰へのアンチテーゼなのか、ベーシックかつ比較的安価なシリーズとしてリリースされている、同社のL-BASSシリーズ。
そもそも、ヨーズリブランドのルアーは基本性能を押さえた普及品ルアーとして、世界戦略で販売されている。
とがった部分は少ないが、安くて使えてどこでも買える、という基本に忠実なモノづくりをしているメーカーだ。マーケットが世界なのでボリュームメリットもあるのだろう。
このL-BASSシリーズも、ミノーやクランクベイトといった、基本に忠実なラインナップ。
性能もベースとして高いようで、悪い噂は聞こえてこない。
そんな中、僕的には妙にとがったラインナップと思うのがこちらのシュリンプ。
はじめて見たときに、あまりのエビっぷりにびっくりした。若干引いたと言ってもいい。
もう、見るからにエビ。
エビ以外の何者でもない。
胸のラバーなんて、あまりにエビすぎる。
そういえばヨーズリはエギの世界では有名だったな。エビにはこだわりがあるのかも知れない。
ちなみに今は廃盤っぽいが、かつての3Dシリーズには3Dシュリンプというルアーがあったらしい。
ネットで見る限り、細部は異なれど、シェイプはリップも含めてそのまんまである。
金型が同じだったりするのだろうか?
だとすると実は10年選手のロングセラーなルアーだ。
しかしネットで検索しても、一般ユーザーのインプレはほとんど出てこない。
そうなると余計に気になる。
気がつけば、人柱を志願していた僕がいました。
(安いしね)

手に入れて早速、川スモールに投入してみた。
僕の買ったのは7cm、7gのサイズ。
これであればベイトフィネスのリールならストレスなくキャストできる。飛距離も特に不満はない。
着水してすぐ気づくエビっぽさ。
スローシンキングだが、そのスローさが本当にエビっぽい。
水槽でスジエビを飼ったことがある方なら想像がつくと思う。エビが脚をちょっと広げてフワーっと降りていく、あのスピードだ。
ルアーとしては、ちょっとまだるっこしくはあるが...。
そのまま着底すると、胸のラバーがたゆむくらいで立つ。
フロントフックがこのラバーの中にあるのだが、フックまで着くか着かないか、というくらい。
エビが底で立ったときの雰囲気が出てる。

そのままリトリーブすると、スーッと寄ってくる。
リップはついてはいるけれど、あまりアクションには寄与してないような。
速巻きすれば、申し訳程度のウォブンロールはするけれど、それを狙うというよりも引っ張り抵抗を確保して動かしやすくするためのものではないかと思う。
ボトムを、ラインのたわみを調整する程度の強さでフワッと引いてやる。
すると、エビが前進するときのようにフワフワーとスレスレを寄ってくる。
うん、エビにしか見えない。
ツン、と引っ張るとピン、と跳ね上がる。
さすがに尻尾で跳ねる様子は再現できないが、前進ではあるものの非常にそれっぽい。
ちなみに全色クリア系のカラーラインナップだが、それも余計にリアルなスジエビっぽく見える。
徹頭徹尾、エビだ。
うーん、好きだな。この振り切ったエビ感。
しかし、ルアーとしては正直、使いどころが難しい。
このルアー、見た目同様、エサっぽいのだ。
エサ釣りをしたことがない人は、エサは反則、釣れ過ぎるなんてことを考える人もいるようだけど、そんなに甘いものではない。
確かに目の前に魚がいればルアーよりも喰わせやすいとは思うが、エサ釣りは魚の目の前にエサを送り込まなければならないのだ。
匂いや動きで多少アピールはするかも知れないけど、普通のルアーのように広範囲で魚に気付かせる能力は比べるに及ばない。
だから海の釣りでは、遠くから魚を寄せなければならないので、よく撒き餌を打つのだ。
一方、いわゆるスピナーベイトやクランク、バイブレーションといった巻物は、短時間で広範囲にアピールできる。
比較的狭い範囲でリアクションで喰わせるジャークベイトなんかも、範囲は狭まれどスポットごとで誘えるのを思えば、ピン中のピンしか攻められないエサ釣りはこの点はかなり不利。
エサ釣りに求められるのは、何より魚を探す能力、そして魚の目の前にエサを落とすためのアプローチ能力なのだ。
このL-BASS シュリンプも、必要なのはこの2点。
故に、常にラインに結んであるようなルアーではない。
魚がそこにいる、とわかった上でないと、なかなか投入しがたいルアーである。
まさにエサ。
しかし、じゃあワームじゃダメなのか、と言われれば、実際ワームでもいいんじゃないかとも思う。
特にスナッグレス性を求められる場合は総合的にみてワームの方がいいだろう。
あえてそこでL-BASS シュリンプを使うのはなぜ?
確かにハードルアーであるメリットは存在する。
飛距離、操作性、耐久性、トリプルフックでショートバイトを掛けにいく積極性。
リアルな動きは、確かにワームでは、ここまでは再現できなさそう。
でも、もっと大きいものがあるような気がする。
それは...きっと、愛故に。
ハードルアーへの愛。
リアルさへの愛。
エビへの愛。
笑うことなかれ。ルアーフィッシングに、いや全ての趣味に存在するのは愛なのだ。
使いたいから使う。これが好きだから使う。
エビが好きで、エビを喰う魚が好きで、ルアーが好きだから使う。
これは多分、そんなルアー。
※エビのイミテーションだけなら、サターンワームのクリア系カラーをダウンショットでシェイクしてください。
これもまた、エビです。
なお、僕はこのルアー、大好きです。
Posted by 大盛貝塚 at
18:50
│Comments(0)
2023年07月07日
大水の中で魚がどこにいるのか未だに想像がつかないんだぜ
毎年、この時期になると、日本列島は大雨に見舞われる。
梅雨の終わりは大雨が多いが、気候変動のせいだろう、僕が子供の頃よりも激しくなったのは確かだ。
僕が子供の頃、真夏の最高気温は32℃あたりだった。今では32℃は、夏の暑さとしては「全然マシ」の感覚。
温暖化は確実に進んだ。
これから来るであろう温暖化が叫ばれていた30年前は、北極・南極の氷が溶けて海面が上昇するとしきりに言われていたが、事後となった現代、事はさらに深刻なことがわかっている。
海面上昇は、地球の極の氷が溶けることよりも、温度の上昇による水の膨張...小学校で習う、温度計の原理で、莫大な海の水の体積が膨らむことの方が深刻だった。
そして気温上昇で海の水の蒸発量が増え、従って空気中の水分量が増え、雨の量が増えたことが近年の大雨に繋がっていると言われる。
なお同様に雪の量も増え、ドカ雪になる年も多くなったらしい。
日本は水没の危機にある。
この手の話は語りだすとキリがないが、このブログは釣りブログ。
ひとまず釣りの事に話を戻す。
題名の通り、小さい頃に釣りを初めてから30年近く続けているけれど、この時期の大雨になるといつも不思議に思うのが、増水の川で魚はどこに隠れているのか、ということ。
たとえ洪水が起きた後でも、水が引けば魚は戻り、翌年にはある程度元に戻る。
確かに、流されてしまう魚はいるのだろうけど、回復の早さを考えると、全てを飲み込むような濁流の中でも多くの魚はどこかに留まって水が引くのを待っているはずだ。
大きな川だと、ワンドの奥や水門に、台風後の大水の時に大きな魚が溜まっていたりするのは見たことがある。
でも、川中の魚が集まったにしてはあまりにも少ない。せいぜい、石を投げたら当たるくらいで、もし本当に全ての魚が寄ってきたら、イワシ漁の網を揚げるときのような密度になるはずだ。
とすると、多くの魚は濁流のどこかに潜んでいるのだと思われる。
でも、どこに?
平時なら岩の裏だの岸際の陰だの、釣りをしていればわかる、ある程度のポイントに隠れているのだろうけど、そんな些細な物陰など自然の脅威の中では取るに足らないはず。
底にべったり張り付いたとしても、とても何日も耐えきれる水の力ではないだろう。
大雨の川は、当然危険なので生態調査なんて出来ないし、当たり前だが水が濁るので目視は無理。
真実は濁流の中にあり、僕には手の届かない場所で魚たちは密かに耐えているのは確実だけれど。
僕のよく行く、川スモールのいる川では、水が引いた後、流されて倒れた岸辺の夏草を眺めながら、川の地形すら変わった後でも、変わらず魚は釣れてくれる。
実は僕は増水時の釣りは苦手で、良い釣果に出くわした思い出はないけれど...。
温暖化が進もうとも、外来種であろうとも、何が起きてもその場で生きようとする魚たちには、感嘆すら覚える。
けれど、素朴な疑問が残る。
君はどこにいたの?
梅雨の終わりは大雨が多いが、気候変動のせいだろう、僕が子供の頃よりも激しくなったのは確かだ。
僕が子供の頃、真夏の最高気温は32℃あたりだった。今では32℃は、夏の暑さとしては「全然マシ」の感覚。
温暖化は確実に進んだ。
これから来るであろう温暖化が叫ばれていた30年前は、北極・南極の氷が溶けて海面が上昇するとしきりに言われていたが、事後となった現代、事はさらに深刻なことがわかっている。
海面上昇は、地球の極の氷が溶けることよりも、温度の上昇による水の膨張...小学校で習う、温度計の原理で、莫大な海の水の体積が膨らむことの方が深刻だった。
そして気温上昇で海の水の蒸発量が増え、従って空気中の水分量が増え、雨の量が増えたことが近年の大雨に繋がっていると言われる。
なお同様に雪の量も増え、ドカ雪になる年も多くなったらしい。
日本は水没の危機にある。
この手の話は語りだすとキリがないが、このブログは釣りブログ。
ひとまず釣りの事に話を戻す。
題名の通り、小さい頃に釣りを初めてから30年近く続けているけれど、この時期の大雨になるといつも不思議に思うのが、増水の川で魚はどこに隠れているのか、ということ。
たとえ洪水が起きた後でも、水が引けば魚は戻り、翌年にはある程度元に戻る。
確かに、流されてしまう魚はいるのだろうけど、回復の早さを考えると、全てを飲み込むような濁流の中でも多くの魚はどこかに留まって水が引くのを待っているはずだ。
大きな川だと、ワンドの奥や水門に、台風後の大水の時に大きな魚が溜まっていたりするのは見たことがある。
でも、川中の魚が集まったにしてはあまりにも少ない。せいぜい、石を投げたら当たるくらいで、もし本当に全ての魚が寄ってきたら、イワシ漁の網を揚げるときのような密度になるはずだ。
とすると、多くの魚は濁流のどこかに潜んでいるのだと思われる。
でも、どこに?
平時なら岩の裏だの岸際の陰だの、釣りをしていればわかる、ある程度のポイントに隠れているのだろうけど、そんな些細な物陰など自然の脅威の中では取るに足らないはず。
底にべったり張り付いたとしても、とても何日も耐えきれる水の力ではないだろう。
大雨の川は、当然危険なので生態調査なんて出来ないし、当たり前だが水が濁るので目視は無理。
真実は濁流の中にあり、僕には手の届かない場所で魚たちは密かに耐えているのは確実だけれど。
僕のよく行く、川スモールのいる川では、水が引いた後、流されて倒れた岸辺の夏草を眺めながら、川の地形すら変わった後でも、変わらず魚は釣れてくれる。
実は僕は増水時の釣りは苦手で、良い釣果に出くわした思い出はないけれど...。
温暖化が進もうとも、外来種であろうとも、何が起きてもその場で生きようとする魚たちには、感嘆すら覚える。
けれど、素朴な疑問が残る。
君はどこにいたの?