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大盛貝塚
大盛貝塚
人生色々ありますが、魚が釣れるとそれなりに幸せな人。

2024年10月10日

シーバスはもはやオワコンなのかもしれないぜ

僕の大好きで、世間の評価も高いルアー、ラパラのオリジナルフローターやカウントダウン。
シーバスはもはやオワコンなのかもしれないぜ

永久定番とメーカーすら謳うこのルアーだが、ふと気づくと最近全然投げてない。
なぜだろうと考えていて、気付いた。
東京湾の湾奥、運河で釣りができないからだ。

ラパラは動きは良くても飛距離は出ない。
それでも近距離戦では無類の力を発揮するのだが、逆に手前で魚が釣れるフィールドでないと活躍できないのだ。

では、手前で魚が釣れる場所とはどこだったか。
それは、都心の運河だった。

江戸という地名は、その名の通り江(内湾)の中に戸(家)があったから付けられたのだろう。
翻って現代。江戸は東京となったが、都市が内湾の水辺にあることは変わりない。
人の身近に静かな海があり、魚がそこにいた。

だからこそ江戸の釣りも現代の東京のシーバス釣りも、身近で手軽でアクセスしやすいレジャーだったのだ。
シーバスはもはやオワコンなのかもしれないぜ

ところが令和の現代。
平成の中頃まで気軽にできた、都市港湾の水辺へのアクセスが思いっきり制限されてしまった。

約20年前、SOLAS条約の発動とともに、それまでなんとなく黙認されていた港湾部への一般人の立ち入りが厳格に禁止され、釣りができるのは水辺の公園、運河沿いの通路など、明らかに行政が設定した開放区域に限られるようになった。

折しもそのタイミングは釣具業界でのシーバスブーム興隆期。
特定外来生物の問題でブラックバス釣りが大手を振ってやりづらくなり、野池は次々と釣り禁止に。
売上を求める業界はバスブームで培ったマーケティングノウハウを元にシーバスのプロを擁立、パターンに特化したルアーをプロモーションして、バス釣りができなくなったアングラーを海辺へ誘導した。

結果、シーバスアングラーの数は急上昇。
人が増えればトラブルも増える。マナー、場所取り、駐車場の問題、船の通行障害…。

マナー違反をしていなくても、夜な夜な集まる、長い棒を振り回しながら、よくわからない専門用語をブツブツ語るオタクっぽい集団。
それが一般人から見たシーバスアングラーの姿だろう…。

怪訝な顔で見られていた中、コロナ禍を良い口実として、多くの場所が「釣り禁止」「投釣り禁止」となった。
まさにブラックバスと同じ轍を踏んだ形だ。

僕はこの時期に長らく海無し県に住んでいたので、シーバス釣りは疎遠になっていたのだが、久しぶりに東京に戻ってきたのでシーバスを再開したものの、この状況にがっかりしている。
かつての手軽で身近でエキサイティングな釣りは、人目と場所を忍んで行う、肩身の狭い行為になっていた。

願わくば、ラパラCD7を短いバスロッドで投げて釣るような運河のシーバス釣りが戻って来てほしいが、残念ながら状況は不可逆的だろう。

かくして、唯一残されたフィールド、河川で釣りをするため、遠投できるフローティングミノーを揃えて、人の来ない干潟を進んで、オープンエリアの回遊シーバスを拾うしかない。
それが今の都心のシーバス釣りだ。

海外では釣り自体、ライセンス制を取っているところが多い。日本もその時期に入っているのかもしれない。
マナーやルールの問題であれば、ライセンスは確かに抑止力として働くだろう。
有料化には必ずしも賛成しないが(特に子供が生き物と触れ合う機会は減らさないで欲しい)、それで気兼ねなく釣りができるならば、一定の制約も受け入れられると思う。
エリアトラウトがこれだけメジャーになっているのだから。

駅から歩いて行ける水辺で、スニーカーで気軽にできる釣り。そこで投げるのは、飛ばないが釣れる、どこか愛嬌のある顔をしたラパラCD。
都会のビルに囲まれながらも、ああ、東京湾って実はこんなに魚がいるんだと気付かされる。
そんな小さなエポックを与えてくれるのが、僕の好きなシーバス釣りなのだが。


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